不具合と情報開示が改善されない、e-Govの厚生労働省関係システム

2010年4月より新システムになったe-Gov電子申請だが、厚生労働省関係のシステムのバグが続いているようです。

各府省およびe-Govからのお知らせ
http://shinsei.e-gov.go.jp/menu/

2010年7月13日 労働保険関係提出書類の取扱いについて
2010年7月12日 厚生労働省 メンテナンスのお知らせ
手数料等の納付を伴う手続の申請(電子納付機能の停止)
2010年7月12日 厚生労働省 メンテナンスのお知らせ
2010年6月17日 e-Gov 一括申請利用者の方へ
2010年6月10日 e-Gov 電子申請の公文書署名検証機能の不具合に関して

e-Govのウェブサイトにこれだけのメンテナンスや不具合の事実が掲載されています。

「現在、不具合の解消に向けて作業中ですが、不具合解消に若干時間を要する見込みです。その間、ご利用の皆さまには大変ご迷惑をお掛けいたします。」とありますが、新システムに移行して3カ月以上も経過してこの状態、しかも年度更新や算定基礎のもっとも申請が行われるこの時期に、これだけ問題が露呈されるというのはどうでしょうか? 私は疑問に感じます。

民間企業なら許されない事態でしょう。職務怠慢と言ってもいいのではないでしょうか。
かつては新たなシステムを起動するときには「テスト・ラン」といって、本格稼働の前に試行運転をしたものですが、今はそういうゆとりや準備がなされないものか、と思ってしまいます。

労働保険の申告納付や社会保険料の算定基礎のこの時期、厚生労働省の手続きが集中するこの時期、これだけのトラブルがあからさまに報告されるのは、いかがなものでしょうか。

また、あまり表に出ていない事実なのですが、社労士が代理申請で行う算定基礎届の電子申請などでは、代行証明書や算定基礎届総括表の添付ファイルを送信しますが、その添付ファイルの容量に制限があり、それがホームページ上で一切公開されていないことがわかりました。

e-Govのヘルプデスク全国社労士会連合会のヘルプデスク日本年金機構のナビダイアルのサポート電話に照会してこの事実がわかり、確認いたしました。

私は算定基礎届総括表の添付ファイルの容量についても制限があることを知らず、容量を超えたファイルを送ったせいで、私は電子申請で再送信することになったのです。このことの伝達や開示がどこからも頂いていませんでした。仮にあったとしても、そうしたことがウェブサイトで開示されていないことは、いかがでしょうか?社労士でない方が電子申請する際にもきっと、つまづくはずです。

e-Govのウェブサイトや日本年金機構のサイトで、この基本的で重要な情報開示が行われていないのでは、電子申請がなかなか国民に普及されず、利用されないのは当たり前の事でしょう。

ここ数年システムが更新されるたびに、新たに操作方法を習得することを利用者は余儀なくされているわけですが、何のためにこうした改変が行われるのでしょうか?疑問に思っています。
利用勝手が格段に進展したとは思えないのも事実です。改変するのは開発業者が儲かるために行われているのでは?と勘繰りたくもなります。

利用者の視点に立ったシステム構築や情報開示がきちんと行われることが、e-Govシステムの原点ではないかと思います。

私は「電子政府推進員」という立場上、これまで努めて電子申請の普及に努めてきました。このたびあえて苦言を呈してこれらのことを関係会議などでも要望していきたいと思います。