課題山積 何望む 鳩山内閣へ県内の声 から

今朝の朝日新聞 高知版ですが、昨日鳩山民主政権が発足したことについて、県内の有権者として、特に若者の就職支援にかかわる人から意見を聞きたいという新聞記者の要請で取材に応じました。

その結果は17日の同新聞記事を引用すると、若者の就職支援に携わる高知市のキャリアコンサルタント竹内隆志さん(55)は「雇用確保のためには国内産業がしっかりする必要がある。グローバル化が進む世界の中で、産業にも発想の切り替えや変革が必要で、民主政権に期待したい」と話す。
http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000240909170001

と載っていました。

談話の主旨はそのとおりでしたが、ここで補足して言わしていただくと、日頃現場で就職活動に悩み懸命に努力され、時には失意にくれ、元気をなくされている若者たちや母子家庭や障害者の方々、リストラされる中高年の置かれている厳しい現状をみるに、たんに教育研修や職業訓練や失業給付、生活資金等の援助の政策だけではむろん根本的に改善しないのを感じるからです。

これまで繁栄してきた産業基盤の構造や社会システムが大きく変貌する中で、雇用を支える産業自体にも、「政権交代」=CHANGE が必要で、これらを促すための政策立案と実行が求められるべきなのです。いまの状況下であれば厳しい企業の採用基準にかなう人材は求職者のせいぜい15%程度ではないでしょうか。これは絶対数が限られているからの当然の帰結です。

数日前に出張講習で模擬面接を指導した、市内のとある高校の来春新卒となる高校生の就職活動への取り組み、模擬面接への対応の必死さは、従来とは明らかに違っています。
悲しいかな、その中で採用内定をもらえるのも、やはり絶対的な限りがあることが予想されます。

中高年の再就職もきわめて厳しく、これまでの職務経験もこれから活かせる、企業に評価されるとも限りません。ある相談を受ける中で、やはり雇用されないなら、彼らは自立、起業家することも選択肢として考えなければならないかとも思います。特に一家の大黒柱であればなおさらです。

もちろん独立して軌道に乗せ、成功することは厳しいことは、自身の身の上でもわかっていますが。
市内の商業の衰退傾向や建設業など構造不況業種が多い本県のなかで、そうした業種がすべてダメかといえばそうではなく、新たな事業分野やサービス形態の転換、漏れていたニーズ等への発掘など、こうした業種でも可能性の余地はまだまだ残っているのだと思います。

近年では特にインターネット技術のダイナミックな進展や消費者の健康や食品へのこだわり、生産者からのダイレクトマーチャンダイジングなど、それらが誘因となって成長が大いに期待できる分野や事業者にも売り方、作り方などの手法の見直しが必要で、国の政治と同じく、我々国民も変わらなきゃ・・・ということが要するに云いたかったのです。

土佐人は古くから革新の気質を持ち、龍馬やよさこいに代表される「変革」の思想をもとに市民感覚で実践行動を行ってきました。明治維新の折、民衆は「ええじゃないか。ええじゃないか。」と政権が代わり未知数の政治や政策実行について、現状をとりあえず受け止めました。

私は特に民主党支持者というわけではありませんが、国民の選択として今回の選挙結果があるわけで、なにはともわれ、まずはこれらの課題の克服に向けて鳩山政権の頑張りと実行を期待したい、私はいまそういう気持ちになっています。