各省庁毎の電子申請を利用するには複数のPCが必要であるという不都

10月20日(月)から26日(日)は「電子政府利用促進週間」であった。この期間中、政府全体として電子政府に関する広報、普及・啓発活動が行われ、電子政府の総合窓口と称するe-Govでは、様々な行政情報の検索のほか、行政手続の申請・届出がパソコンからオンラインで行うことができます!と宣言していた。
それは非常に紛らわしい表現であって、複数のパソコンを用意し各省庁毎のシステムに合った推奨環境で実行すればできます!というのが本来は正しい表現ではないか。

会社を設立する時に定款を作成し公証人の認証を受け、法務局で登記する。紙ベースの定款であれば印紙代4万円が要るが、それを電子申請で行う電子定款にするとこの4万円が不要で費用が節約できる。電子申請で登記を行うとさらに登録免許税が5千円安くなる。

顧客の利便性のため、行政書士の私はこれまで法務省オンラインシステムで公証人役場に電子定款の認証申請を行い経費節約のメリットを還元していた。ところがある問題が原因で法務省のシステムと社会労働保険の手続きで使うe-Govシステムが一台のパソコンで共存できなくなった。
電子申請の専門家として利用実績も相当数あり、HPやITの知識や技術には自信があるので、私自身さほど深刻な問題ではないが、他の利用者ではこうした事態に対処が難しいのではないかと思ってしまう。

その問題というのは、各申請プログラムを動作させるためのJAVAというアプリケーションのバージョンやOSなどの違いによることが原因である。
各省庁が採用しているシステム毎にそれぞれ別個のバージョンを必須・推奨環境としていることが、その元凶だ。縦割り行政の弊害ともいえ実に愚かしい。
各省庁が足並みを揃えないというのでは、結局e-Japan構想も絵に描いた餅。実現しないのは当たり前。誰もがもっと使いやすく利用しやすいIT社会の実現を目指すというのが本来の趣旨ではなかったか。今一歩原点に立ったシステムの改善を求めたい。