田舎サムライ、神保町界隈で人情に触れる

昨日は東京での2日目でした。
午後から会議があったので、午前中は神保町に行って本探しをしていました。

神保町は学生の頃に行ったのを記憶していますが、だいぶん町並みも変わり古本街も変化しているようです。
ひととおり廻っていくと法律関係の蔵書が充実していたお店に入ると、店主らしき高齢の方が従業員さんにてきぱきと指示をされる声が聞こえてきました。

神保町廻りは慣れていないので
「法律関係の本を探しているのですが・・・。」と声をかけると
「それならうちが一番充実しているよ。他はあんまりないね」とのこと。
確かにこの界隈を一巡してそのようです。
その店主の方がおっしゃるには70年近く続いている老舗のようです。

「値段はどこに書いているのですか?」
「それはここね。」と店主が手にとって示してくれました。
表紙の裏の上余白に店主が入れたのか、鉛筆書きで書いていました。
私が取った本をみると「この本はね。弁護士の方の署名が入っているね。だからお得だよ。」
なるほど、中は新品と思えるほど大変きれいでした。
地元ではほとんど入手できそうにないのでさっそく購入しました。
私は普段書籍は地元のお店以外にインターネット通販でよく買います。
通販といっても早ければ2、3日ですぐに届くので、書名や作者がわかってある程度予想されるのであれば大変便利な面はあります。

この店主の方はまだまだお元気の様子で、さっそうと仕事をされていて、なおかつ、ご自身のお店の特徴に自信を持たれているのが大変印象的でした。
古本屋さんというと、無口で物言わぬ店主のイメージでしたが、神保町にはそういうお店が昔はもっとあったようです。
帰り際に店頭にあった発刊まもない新書が百円だったので、それもレジに持っていきました。
すると、店員さんは「ブックカバーをしましょうか。」と丁寧に対応してくれました。
店主も大変気さくな方でしたが、店員さんにもそうした雰囲気があるようで、こういうあたたかいふれあいは確かにインターネット通販では得られないものです。