SOS!法務省オンライン申請システムの怪?

事務所での電子定款の認証申請件数もけっこう多くなった。昨年から始めているが地元の公証人役場の先生や事務員の方とも既に相当顔なじみになっている。
電子定款は紙ベースでないために印紙代4万円が不要となる。4万円は設立費用が安くなるのでお客様にはとてもメリットがあるのだ。また当事務所は電子申請で登記申請対応の司法書士さんとも連携しているので、トータルコストでもその分やはり節約でき、顧客に還元できる。

そのため一度申請したものの、修正は不可というデメリットはあるが最近はもっぱら電子申請で行っている。
今日も午前中の早い時間に電子定款の認証申請(電磁的記録の認証の嘱託)をやろうと法務省のオンラインシステムにつなぎ、いつものように申請を開始する。
ところが何故か今日は行政書士電子証明書を使ってのデジタル署名のところでシステムが何故か止まってしまい、どうにも進めない。何度かやり直してみるが同じ。なかなか原因がつかめない。IEのバージョン6のせいかとも考え7にアップグレードするなど、また他のセキュリティソフトの設定を見直してみるがなかなか改善しない。

とうとう法務省のサポート電話にかけて担当者にアドバイスを請う。
先方の示す、基本的な設定やチェックポイントはクリア。それもそうだろう。このパソコンの環境でこれまで何度か申請をしているのだから。
昨日に依頼を受けたクライエントには今日中には認証は完了できます、と言っていたので、この日は午後から別件で事務所を出て行かなければならないわけで、これに一日中かかりきりにもなれない。
時間との戦いになるかも?と少々焦り気味ながらパソコンの前でジレンマの時間が過ぎる。

サポート担当者が法務省オンライン申請に必要なプログラムとして提供しているものを
もう一度法務省のサイトからダウンロードして入れ替えてみてと言われる。
バージョンもまったく同じものだ。どうしてなのか意味がわからないまま指示を受ける。
そこでしつこく何故かを聞けばよかったのかもしれないが、いずれにせよ午前中には認証申請を完了したかったので、言われるままに素直にその指示にしたがった。

入れ替えてみて、あらためてオンラインにつなぐ。その間事務所の電話に知り合いから社会保険のことでの質問の電話が入る。画面と電話とそれぞれに注意を払いながら申請手順を進めていったところ。何故かしら問題なく電子証明書を使ってのデジタル署名も事無く終えて手続は完了。サポート室への電話も切って、あらためて公証人役場に電子定款の認証申請をしたことを連絡する。
やれやれとほっと安堵する。どうしても腑に落ちないが、まあパソコンとかオンラインシステムというのも時々原因不明のアクシデントもあることがある。突き詰めて考えてもしょうがないこともあるだろう。

法務省のシステムは以前にもダウンして申請に支障が出たようにも聞いている。やはり電子政府を進めていくうえではプログラムの改良はきちんと対処していただきたいと切に願う。
こうした場面に遭遇して、あらためて電子申請がきちんとできる行政書士や社労士などの資格者は限られてくるかもしれない。こうした予期しないアクシデントに対応できるには熟練した一定のスキルや慣れを要するのだ。初心者ではほとんどパニックに陥るだろう。
法務省のサポート電話の指示を受けてもその専門用語や操作指示にスムーズに対応しきれないかもしれないと思う。これは社労士会で電子申請の講習の講師をしてつくづく思う。

当方は、情報処理技術者の資格もありパソコンのスキルや電子申請には慣れているので、ある程度冷静に対応できる。それでもこのたびのように原因が不明で納得できない不測の状態には少々時間や手間を割かれた。
サポート室の操作指示にきちんと対応出来なければ、この日顧客に約束した納期や手続を終えることが出来なかったかもしれないとあらためて思ったことだ。
電子申請はとても早くて便利だが、反面こうしたこともあるので常にパソコンのメンテや専門知識の習得は欠かせない。でもこれが他との差別化、専門性につながると思うのでこれからも怖じることなく積極的に利用していきたい。