草莽の志士達へおくる歌

8月15日、高知県護国神社で夏祭りが行われた。この日は終戦記念日。いつもより多くの方が参拝に来られている。

この夜私も「歴シンガー」としてギターを片手にその舞台に立った。歌ったのは、郷土の偉人や歴史にちなんだオリジナル曲。龍馬や半平太、以蔵などの生き方を歌う。また志士ではないが、アメリカへ渡った初の日本人、ジョン万次郎など日本の発展に功績のあった人物にちなんだ曲も披露する。

この日はさらに特別な想いで演奏した曲がある。

この神社の敷地に多くの英霊を偲ぶ慰霊碑と並んで「南海忠烈碑」が建っているのをご存知だろうか。先ごろ当神社の神職らの手によって修復されたことを聞いた。龍馬伝紀行でも紹介されたこの碑の裏にはドラマに登場する志士達の名前を見ることができるが、あまり知らない志士らの名前も多く刻まれている。
龍馬の他にも草莽の志士たちが国のために命を捧げていった。この碑にある姓名を見つめていると、彼らのその想いが伝わってくるようだ。

私には祖父の記憶がない。私が生まれる前に戦死したので遊んでもらったことがないのだ。
その後の祖母たちの苦労も知るが、幼き頃その祖母に連れられてよく春大祭に来た記憶がある。毎年亡き夫に会いに行くかのように道を急ぐ祖母の姿が今でも目に浮かぶ。その祖母らも今は亡く、最近はその接点がなくなったようにも感じていた。

このたび神社のご配慮により「草莽の志士達におくる鎮魂歌」をこの場所で歌うことができた。
それは次の世代に繋げるためにも、私にとっても何よりもかけがえのない思い出になった。