「龍馬伝」への期待

再来年のNHK大河ドラマは「龍馬伝」だ。
あまり知られていなかった「岩崎弥太郎」の生き様にスポットが当てられるらしい。
このことは窮状に苦しむ地方の再生になにかしらの示唆を与えているように思えてならない。
高知県を代表する英雄としては、これまで「龍馬」が有名。彼の生き方は私たちの心を奮わせその魅力はいまだに衰えることはない。
今回のドラマでは、その龍馬とともに地味ながらも「弥太郎」の生き様が紹介されるらしい。
彼が龍馬から影響を受けたことは確からしいが、そのヒントから着実にビジネスの種を大きく育て上げていった実践力こそ彼の持ち味ともいえる。
よいと思っていてもなかなかすぐには実行できないところが、私も含めて凡人の器。
ところが彼は着実に事業を成功させ、日本の経済の基礎を築いた。地方の窮状を切り開くためには、その素直さとしたたかさ、そして果敢な行動力が求められているのではないか。
世の中の仕組みを改革するには「龍馬」のような大胆な発想力と調整力が求められる。一方「実務」を積み重ねてきた「弥太郎」のような存在も欠かせない。
両者の対照的な個性の違いと能力をうまく補い合わせることが重要だ。
そうした意図を含んだ脚本ではないだろうかと、私は今から勝手に想像する。
閉塞感が漂うこの時代にこそ、彼らのような存在が必要とされる。その革新の兆しを少しでも早く感じたいものだ。